「真価が問われる」2016年

小出に限らず、サクラセブンズの選手たちには自信と覚悟が見てとれる。上り調子のチームの選手というのはそういうものだろう。年末に話を聞いた主軸の鈴木彩香(アルカス熊谷)もそうだった。

ことしのテーマを聞かれ、鈴木彩香は「真」と答えた。「真実の真、真剣勝負の真」である。昨年はけがに苦しんだ1年だった。年頭に大けがをしながら、11月の五輪アジア予選には間に合った。円熟の26歳。

「真価が問われるというか、(2016年は)私たちのラグビーが世界にどう通用するかということが問われる年だと思うんです。もうラグビーだけじゃない。謙虚さとか、自分の感情をコントロールできるかとか、人としての真価が問われるような気がします」

負けず嫌いのがんばり屋、22歳の鈴木陽子(アルカス熊谷)は子どもの頃から、目標は「世界で一番のプレーヤー」になることだった。陽子も昨年は小さなけがが多く、「我慢」の1年だった。

2016年は?と問えば、小さい声で「挑む」と漏らした。

「挑戦の挑、その挑むです。オリンピックにも世界にも、そして自分にも。ぜんぶですね、ことしはぜんぶに挑戦です」