製造業は、日本産業の縮図

製造業の人事・給料の特徴について考えてみましょう。

一言でいうと、製造業は日本産業の縮図です。昨今では日本経済のサービス化が進み、就業者のうち、流通・サービスなど第3次産業への従事者が約7割になりました。それでも、第2次産業の代表である製造業は、その存在感において、日本の中心に座っています。

たとえば、日経新聞を広げて、株価欄を見てみましょう。次のような業種区分ごとに上場企業が並んでいます。一見、さまざまな業種があるように見えます。

水産・農業、鉱業、建設、食品、繊維、パルプ・紙、化学、石油・石炭製品、ゴム製品、窯業、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、機械、電気機器、輸送用機器、精密機器、その他製造、商業、金融・保険、不動産、陸運、海運、空運、倉庫・運輸関連、情報・通信、電力・ガス、サービス

しかし、よく見てみると、このうち「食品」から「その他製造」まで、半数以上の業種区分が製造業で占められています。もちろん、業種区分で製造業に位置づけられていたとしても、実際には卸や小売りの機能を持つ会社は少なくありません。逆に「商業」に分類されていても、ニトリや青山商事、ユニクロのファーストリテイリングのように、自社製品の製造機能を持つ会社もあります。

このように、業種間の垣根は低くなっているにもかかわらず、業種分類される際には、今でも製造業中心の構成となっているのです。