なぜ、800坪の軽井沢の別荘を利用しないか?

ただし、注意も必要です。

あるリゾートホテル会員権を販売する会社によれば、保有者の属性は「60~70代、中堅企業のオーナー様や医者・弁護士といった方々が大半」と述べています。これに属する集団において、自分が比較的裕福な状況でなければ、以前に原稿で指摘した通り、「高収入貧乏の谷」に転げ落ちることになるでしょう。高収入なのに、お金が貯まらなくなるのです。

この「高収入貧乏の谷」は、ボストン大学ジュリエット・B・ショア教授の統計データを元に僕が命名したもの。周囲の住民(会員権保有者など同じ属性の人を含む)が自分より裕福だと、それに追いつこうとつい消費が多くなって貯蓄は減る一方、周囲の住民が自分より裕福でなければ浪費もなくなり自分の貯蓄は確実に増えるという現象を指します。

リゾートホテル会員権の話に関連して、別荘について簡単に触れておきましょう。

僕は軽井沢の800坪の土地に70坪の建物の別荘を持っていますが、絶対に行きません。女房は「別荘に行くくらいなら、家で寝てる」と言います。旅行するとき運転は女房なので、僕には行く行かないの決断をする権利がありません(「じゃあなんで買ったんだ! 持ち続けているんだ!」とは、突っ込まないでくださいね)。

※写真は本文と関係ありません

まあ、都内から3時間近く運転して別荘にたどり着いた後に、「さあ部屋の掃除だ! ゴミ捨てだ!」となると女房が不愉快になるのも分かります。

その意味では、車寄せに着いたら名前で呼ばれて、掃除もしなくてよくて、料理もいたれりつくせり、オーダーメードの依頼もできるリゾートホテルの会員権のほうがどれだけありがたいか。

これが45歳、4歳の双子のいる一家のあるじ(僕)の別荘についての感想です。

別荘の購入を検討している富裕層の方がいたら、まずはご自身の経営する法人で保養所として賃貸で借りて、「今後も定期的に使いたい」という段階になってから取得に踏み切っても遅くないと思います。