今から間に合う、就活対策

――最後に子育て世代の読者に、“今からやっておくと良いこと”をお話しいただきたいのですが。

【早稲田】難しい質問ですね。

【女子大】誰からいきましょうか。

【日大】じゃあ、私から。学生を見ていて、自分に自信がある子は強いですよ。大会優勝や部長などの経歴がなくとも、自分なりの工夫をしたことや続けてきたことなどがあればいいのです。小さい頃から習い事や部活を続けさせるのが、いい方法ではないでしょうか。

【国立大】就職活動って、何ができるかと同じくらい何をしたいかを問われますよね。だから、好きなものがある子は強いと思います。PISAの調査などを見ると、日本の子供たちは世界的に見ても点数は高い。しかし、“学ぶことが好き”という子は諸外国に比べて少ないんです。これは非常にまずい。学ぶことを嫌いにさせる勉強をさせているのです。好きなことがあって、そのことを面接の場で話して、希望する職場に入るのが、企業にとっても、本人にとっても理想ではないでしょうか。趣味や特技でもいいですが、勉強でそういう分野があると、なおよいと思います。企業に入っても、人生は学びの連続なのですから。そういう意味で、学ぶ楽しさを早くから知ってほしいですね。

【女子大】お子さんがまだ小学生であれば、親が自分の仕事のことなどを具体的に話してやればいいと思います。日本のキャリア教育では、きらびやかな仕事のカッコいい面を強調して、憧れを作るほうに比重を置きすぎている気がします。もちろん、そうしたことも大事ですが、その一方で、仕事の大変なこと、転勤やお給料のことなども教えてやらないと、突如現実と向き合うことになります。もう少し早めに教えてやってもいいのかなと思いますね。うちは10歳になる娘がいますが、仕事の苦労も聞いてもらっています(笑)。

【早稲田】私が見ていて思うのは、“勉強だけの子”にしないことですね。当たり前ですけど、いい大学に入学しても、その大学内では大学名って何の自慢にもならないですよね。多くの企業で、“この大学から何人”と大学ごとに枠を設けているので、同じ大学の中で頭一つ抜け出ないといけない。そういうときに何を武器にするか。やってきたスポーツや習い事が、直接採用につながるとは思いませんが、勉強との両立で手に入れた要領のよさなどは、絶対評価されるはずです。

【国立大】ちょうど自分の子が来年就活なので、みなさんと話していて心配になってきましたよ(苦笑)。

◎“成績のいい、聞き分けのいい子”はここ一番で頑張る力が弱い