制度改正された今が「始めどき」

2008年にスタートして7年目を迎えた「ふるさと納税」。今年4月に大幅な制度改正が行われ、よりおトクに、より簡単になったのをご存じだろうか。最近は「お礼の品」の中身にも工夫がこらされている。まだふるさと納税をしたことがないなら、今こそまさに「始めどき」なのである。

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「ふるさと納税」はなぜおトク?

まずは基本的な仕組みから理解していこう。ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク代表取締役社長の須永珠代さんは、ふるさと納税が生まれた経緯について次のように説明する。

「ふるさと納税は、地方間格差や過疎などによる税収減少に悩む自治体に対して、格差是正を推進するために生まれた制度です。たとえば私は18歳まで群馬県伊勢崎市で育ちました。でも成人して納税するようになると、その税収は今住んでいる東京都のものになる。人材は地方が育てたのに、税収は首都圏がもらうというのは不公平ですよね。それを少しでもならすために考えられたものです」

「納税」という言葉が使われているが、正式名称は「ふるさと寄附金」というように、その本質は寄付である。しかし上限金額以内ならば、寄付金の合計額から自己負担2000円を差し引いた金額が所得税と住民税から減額され、しかも寄付金の2~8割に相当する牛肉や米、果物などその地方の特産品が「お礼の品」として自治体から送られてくるという非常におトクな制度なのだ。