「手続きすれば、2000円払うだけで数万円の商品が手に入る」ふるさと納税は、そんな夢のような制度だ。1億円を目指すなら、こういう「必ず得する話」は見逃してはいけない。

高還元率の「ふるさと感謝券」

どーんと30万円まで広げてみよう。ここまでくると、食材以外にも目を向けたい。

「夏休みに、旅行で使える宿泊券や、ダイビングやパラグライダーなどの体験チケットもいいのでは。その中でも僕が特にお勧めするのは、ふるさと納税感謝券(名称は自治体による)です。これは簡単にいえば、その自治体エリアの飲食店や宿泊施設などで使える商品券です」

たとえば10万円の寄付で「感謝券」7万円分をくれるのは、千葉県大多喜町だ。都心からのアクセスもよく、東京湾アクアラインを利用すれば、車で1時間半程度。7万円を何に使うかといえば、家族全員の1泊2食付きの温泉旅館代、釣り堀やカラオケ店での遊興費、地元名店での飲食代など。すべてを感謝券で支払っても、おつりがくる。

「本当に財布いらず、です。帰宅時に、お土産を道の駅などで買えるし、ガソリンを満タンにして、ついでに洗車もできちゃう」

そして、30万円全額をこの大多喜町に投じれば、戻ってくる感謝券はやはり還元率7割の21万円にもなる。

「1泊の宿泊代や飲食代でも全部使い切れなかったら、2泊してもいいでしょうし、地元家電店で何か購入してもいい。接待でゴルフを楽しむのも悪くない。僕の場合、家族旅行だけでなく、自分の会社の社員の家族も招待して、温泉旅館を借り切って、おいしい地元のお料理と、酒店でケース買いしたドンペリで慰労会を開きました」

大多喜町が「ふるさと感謝券」を出し始めたのは、去年の暮れ。全国的には、同じような感謝券を出すケースはまだそれほど多くはない。しかし、地元経済が活性化する効果を狙って、今後、感謝券を発行する自治体が増えるはず、とふるさと納税の達人、金森重樹さんは語る。

もうひとつ、金森氏が勧めるのは家電製品だ。

「家電などの高額商品は、もちろん寄付額も数万円以上となりますが、自分の寄付できる上限額内であれば本当におトクです。買うのを躊躇するような高額商品でも、自己負担2000円で手に入るのですから」

もし前から欲しいと思っていた商品が、どこかの自治体の特典として提供されているのを見つけたら、迷わず申し込むといい。