がん治療は「手術の後」にお金がかかる!
2015年9月23日、元女子プロレスラーでタレントの北斗晶さん(48歳)が乳がんに罹患していることをブログで告白し、翌24日に右乳房全摘手術を受けた。
同日、女優の川島なお美さん(享年54)が、胆管がんのため逝去されたこともあり、各種メディアにおける「がん」関連の報道が増えている。
北斗さんは、ご自分のがん告知を受け、それにともなう身体的、精神的な苦悩や家族への想い、がん検診の必要性など、さまざまなメッセージをブログに綴っている。そのなかにがんとお金に関するコメントも登場している。
「ぶっちゃけ、癌の手術はお金がかかるよ。保険に入ってないと大変な事になっちゃうからね!!!」(2015年9月23日付け「北斗晶オフィシャルブログ」より一部引用)
▼「個別化治療」が進む、乳がん治療―タイプによってさまざま
報道によると、北斗さんは、10月上旬にいったん退院し、月末から再入院して半年間の化学療法に入るという。そして来春には、放射線療法やホルモン療法を行う予定とのこと。
北斗さんとがんとの闘いは始まったばかり。2009年に同じ乳がんの診断を受けた私が言いたいのは、がんとほかの病気との大きな相違点は、手術が治療のほんの入り口にすぎないということである。術後には、がん治療という、長く、出口の見えないトンネルが待ち構えている。
お金の面もそれは同じ。がんの診断確定までの診察や検査の費用や手術・入院の費用以上に、今後の治療スケジュール次第では、費用がかさむ可能性がある。
個別化治療(*)が進んでいる乳がんの治療は、がんの広がりの程度以外に、乳がん細胞が持つ生物学的特徴(ホルモン受容体の発現程度、組織学的異型度、HER2受容体増幅の有無など)や患者自身の女性ホルモンの状況(閉経前・後)といったものとともに非常に細かく分類されている。
*個別化治療…がんの遺伝子の特徴や患者の状態に応じて、最適な治療法を決定すること。オーダーメイド医療、テーラーメイド医療ともいう。