――即断即決も求められるのでは?
【内田】その通りだが、的確な意思決定の前提条件として、十分な判断材料の蓄積が求められる。時間の余裕があれば、刻限までは情報や社内意見を収集し、じっくりと分析をしてから決定すればいい。しかし、原油安やガソリンの需要減など目まぐるしく環境が変化するなかでは、蓄積してきた知見にもとづいて即断即決していく必要があると考えている。
――今後の展開は?
【内田】3.11の直後、ライフラインとしての石油製品を安定的に供給することの重要性を痛感した。道路が随所で寸断されるなか、元売り各社が一丸となって、ガソリンや灯油を届ける任務を果たしたことで、私も社員も当社が担う使命の大きさを再認識した。
今日の日本経済およびグローバル経済は境目に差しかかっている。もはや「きょうの常識は、明日の常識」にはなりえない。当社ではエネルギーミックスのアイテムとして、発電設備の増強や新規事業の育成も視野に入れながら、競争に勝ち残るべく取り組んでいきたい。
JXホールディングス社長 内田幸雄
1951年、福井県生まれ。73年、京都大学法学部卒業後、日本鉱業に入社。2003年ジャパンエナジー執行役員、10年JX日鉱日石エネルギー取締役・専務執行役員などを経て、15年6月にJXホールディングス代表取締役社長・社長執行役員に就任。
1951年、福井県生まれ。73年、京都大学法学部卒業後、日本鉱業に入社。2003年ジャパンエナジー執行役員、10年JX日鉱日石エネルギー取締役・専務執行役員などを経て、15年6月にJXホールディングス代表取締役社長・社長執行役員に就任。
出身高校:福井県立高志高校
長く在籍した部門:企画部
座右の書(または最近読んだ本):『超弦理論入門』
座右の銘:考えるときは制約を設けず大胆に、実行するときは慎重に
趣味:読書、旅行、将棋
(岡村繁雄=構成 澁谷高晴=撮影)