反転後の下落率は3カ月で4割に達したが、1年前よりまだ5割も高い(図参照)。この間、中国の実体経済は大きく改善していないので、株価は1年前に戻っても不思議ではない。ただ、これはマクロから見た話で、これだけ大きな上下があれば、それにさらされた投資家の損失は「戻っただけ」ではすまないし、他の市場に影響が及ぶのは当然だ。

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2013年以降の上海総合指数(月足)

今回のケースでは、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げするという観測が市場に流れていたため、市場参加者が神経質になっており、そこに入ってきた中国発のニュースに過敏に反応することになったと思われる。

株式市場の値動きを決める要素は様々だが、主要な要素は2つ。1つは実体経済のパフォーマンスであり、もう1つは金融市場の環境である。なかでも基本は、実体経済の状態だ。

日本や米国の経済を見れば、どちらも株価が暴落するほどの変調はきたしてはいない。

米国は企業収益、雇用、消費とも好調を維持しており、世界で1番のブライト・スポットにある。日本も経済成長率の指標こそ弱いが、雇用は好調で、企業収益も伸びている。過剰な心配をする必要はない。