なぜ企業の業績を見なくてよいのか

驚くべきことに、これ以外の細かい投資指標は見ないという。一般的な投資家なら企業の業績の現状と予測も判断材料にするものだが、なぜか。

「ある程度の損失が生じても優待や配当でカバーできますし、優待があり続ける限り、多少収益が悪くても大幅な値下がりは見込みにくいのです。

また、私は分散投資を心がけているので、どこかの業界が悪化しても、別の業界の銘柄でカバーできます。だから企業の業績判断は見る必要がないのです」

2015年6月末における、日本の上場企業数は3609社。その中で株主優待を出す企業は約1250社ある。実に3分の1以上の企業が株主優待制度を設けており、年々増加する傾向にある。

桐谷さんは500社ほど保有しているが、どれも少ない株数である。大量に1つの企業の株式を保有するよりも株主優待が可能となる最低限の株数を保有するほうが、優待利回りは高まるためだ。

また前述したように、分散投資により複数の投資先に分けることで、万一ある企業が倒産しても被害は最小限ですむメリットも大きい。

初心者のための成功する株主優待

では、初心者の場合、どのように始めればよいか。桐谷さんに教示していただいた。

「まず、証券会社の口座を3~5社開設しましょう。口座開設は無料ですし、メールマガジンや四季報の情報などを受け取れます。最終的に使い勝手のよい証券会社を使うといいでしょう。手元運用資金としては、初めは20万~30万円を用意すれば十分です。

まずは2万~3万円程度で気軽に買える銘柄5~6銘柄に分散投資を行うのがいいでしょう。銘柄を選ぶポイントは前述のとおりですが、PERが15倍以上、PBRが1倍以上でも、優待品が本当に欲しい場合は、私は購入していますし、PERなどの数値がよくても、自分が使えない優待なら買いません。やはり優待品が届いたとき素直に喜べるものにしましょう」

アンケートの概要●ビジネスマン1000人に、欲しい銘柄を調査。2015年7月アイブリッジ調べ。※表内の各銘柄のデータは伊藤亮太氏作成。優待利回りは、100株(もしくは1000株、1単元)保有した場合の計算。企業によっては株主優待に関して、1単元では受け取れない場合がある。その場合には優待発生株数で計算している。また、優待利回りは金額が判明しているものですべて利用した場合を前提、もしくはもっとも利回りが高くなるケースを表記。
※各会社の配当利回り、PERは7月6日時点の終値と会社予想をもとにしている。PBRは7月6日時点の終値と会社実績をもとにしている。最低購入額は7月6日終値に基づいている。
※桐谷広人氏保有銘柄には「桐」のマークを、桐谷氏お勧め上位15銘柄は順位を表示。