離婚までに別居期間がある場合に発生するのが「婚姻費用」だ。正式には「婚姻費用分担請求」と呼ばれる制度で、別居期間の生活費を夫婦どちらか一方が支払うものである。

「別居すると『ひとつの財布』が2つになりますが、夫婦の収入に大きな差があっては不公平なので、バランスをとるという考え方です。養育費と同様、裁判所の『婚姻費用算定表』が目安になります」(澁川氏)

▼婚姻費用:年収600万円、子どもなしで月額8万~10万円
▽別居期間の長期化に注意

離婚までに別居期間がある場合に、夫婦のどちらかが一方に支払う生活費が婚姻費用。離婚までの期間が長引けば長引くほど負担が大きくなるので要注意だ。

一般的には夫が妻に支払うケースがほとんどだが、妻の年収が夫の年収を上回っていれば妻から夫に支払うこともある。ただし、妻が子どもを育てており、夫に生活できるだけの収入があるような場合には、協議のうえ、支払わないことが多い。養育費と同じように「婚姻費用算定表」を基準に決められることが多く、ここで示した金額はその一例である。