こうした消費行動が招く家計のメタボは、その場所に行かないことで簡単に解消できる。スーパーであれば「買い物しないデー」を設けて、1週間に2~3回にとどめる。行くときにはあらかじめメニューを決めて、必要な食料品以外は買わないといったルールを設けるといいだろう。

買い物の際には予算を決めておくことも重要だ。目標は日用品を含めて、1週間で1万5000円。余っても翌週に繰り越しせずに貯めておけば、チリツモの貯蓄ができる。

ショッピングセンターも同様だ。必要な買い物がない限り、足を向けないようにしたい。子供との時間を持て余すのであれば、公園に行って遊ぶなり、図書館で本を読むなり、お金を使わずに済む過ごし方はいくらでもある。

さらに、見直したいのは夫の小遣いだ。家計簿上は1カ月3万7000円となっているが、「足りないから頼む」と夫に手を合わせられるとつい貯金をおろしてしまう妻。それが見えない赤字となっているのだ。この小遣いの補填をやめるだけでも、出費は減らせるだろう。

また、これから子供たちが携帯電話を欲しがるであろうことを考えると、料金プランやキャリアの見直しも実行しておきたいところだ。この節約はほかと違って我慢は必要なく、ストレスが溜まらないのがいい。

そうやって出費を減らしていけば、月5万6000円の赤字があっという間に月2万円の黒字になり、教育費の貯蓄ができる。さらに、もっと貯金を増やしたいのであれば、妻が働きに出るのが良策だ。といっても、正社員として復帰してバリバリ働く必要はない。子供が幼稚園に行っている間に、パートに出るだけ、月に4万円でも十分だ。

そもそも毎日スーパーに通うのは、それだけ暇があるからだ。その時間を労働に費やせば収入が得られるうえに、習慣化していたスーパー通いがおのずと避けられる。汗を流して働くことで家計だけでなく、自分の体のメタボ対策にもなるだろう。一石が三鳥にも四鳥にもなるこの方法、試すだけの価値はある。

▼節約のポイント

[1]子供にねだられるまま買い与えない
[2]夫の金欠に応えて貯金を崩さない
[3]買い物は毎日行かず、まとめて必要なものに

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント。マイエフピー代表取締役。ファイナンシャルプランナー。司法書士事務所勤務を経て、同社設立。個別の相談・指導では、お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムを生かし、これまで7000人以上の赤字家計を再生した。著書は累計57万部を超える『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズを代表作とし、著作累計86万部となる。
(上島寿子=構成 小原孝博=撮影)
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