非連続変化の局面ではクリエティブシンキングが役に立つ

企業を取り巻く環境の変化は、ときに非連続です。連続的に変化する局面では、過去のデータから因果関係を考察し、未来の変化を予測するという分析的アプローチが有効です。しかし、非連続な変化の局面において分析的アプローチは歯が立ちません。非連続な局面では、枠組みにとらわれずに直観的に状況を認識して、大局観を持って変化の方向を洞察すること、つまりクリエイティブシンキングが必要なのです。

欧米企業は、これまでロジカルシンキングに重きを置いていました。ただ、ロジカルシンキングが思考やコミュニケーションのプロコトルとして根づいているせいか、そのデメリットにもいち早く気づき始めています。「ファクト、分析、ロジック」を強調しすぎた結果、発想が硬直化して非連続な変化に対応できず、イノベーションが生まれにくくなっているのです。

その反省もあって、欧米ではいまや多くの企業がクリエイティブシンキングに注目しています。一方、日本では、いまだにグローバルな思考法というとロジカルシンキングをイメージする人が多い。

ロジカルシンキングはグローバルビジネスに参加するために最低限身につけておかなくてはいけない思考法ですが、非連続な変化をする世界を生き抜くためには、同時にクリエイティブシンキングも磨いておく必要があるでしょう。

※本連載は書籍『グローバルエリートの仕事作法』(梅澤高明著)からの抜粋です。

【関連記事】
なぜ多国籍の経営チームが最強なのか
グローバル企業で「文化を1つにする」は可能か?
なぜあなたの会社からイノベーションが生まれないのか
グーグル式「管理しない人事」がイノベーションを起こす
なぜ日本からS・ジョブズが生まれないのか