東大卒じゃなくてもハーバードに入れる
ハーバードの大学と大学院には、よく指摘される違いがある。どちらも優秀な人材しか入学を許されないが、後者は努力型の秀才も多いのに対し、前者は「小学校入学前に英検3級に合格した」などの逸話を持つ、天才型の人材が多い点だ。
もちろん、ネーティブ並みの英語力も必要なので、日本人がハーバードの大学課程を受験するには、遅くとも中学生くらいから米国に留学しないと難しい。日本にいながら留学もせず受験するというのは、相当狭き門ということになる。
まだ光明が見える大学院でも敷居は高い。GPAも重要なので、準備するなら大学に入ってすぐ始めるべきだ。米国の超難関校コロンビア大学経営大学院を卒業し、『ハーバード合格基準』という著書もある佐藤智恵さんは、次のように話す。
「以前は東大・京大・一橋大・慶応大など、一流校の出身者が多くハーバードに合格していたと聞きますが、近年はその他の大学の卒業生も多いです。ハーバード側は東大で平凡な成績の人より、その他の大学を首席で出た人を評価する傾向にあるので、どの大学の学生にもチャンスはあります」(佐藤さん・以下同)
だが、学力だけではハーバード合格は難しい。大学院ごとに選考基準は異なるが、たとえば経営大学院だと、合格基準は「分析力と分析欲」「コミュニティへの貢献力」「リーダーシップ力」とされる。
「まず分析力を備えた人材とは、簡単にいうと“英語のディスカッション力があり、地頭がよい人材”。コミュニティに貢献できる人材とは、高い倫理観を持ち、他人へのリスペクトができる人です」
最後にリーダーシップ力だが、ハーバードが求めるのは、日本で一般に考えられるリーダーシップと異なる力だという。
「日本では『リーダーシップ=人を引っ張る力』という意味合いが強いですが、ハーバードの考えるリーダーシップ力は、『周囲の人や環境をよい方向に導く力』。ハーバードに入学を希望する人は、その力を発揮した経験を、エッセイ、面接などで表現することになります」