国は女性の管理職登用30%達成を求め、各社の人事部は大きなプレッシャーを受けている。プレジデント誌では、有名企業の人事責任者による覆面座談会を開催し、女性活用の建前とホンネを探った。
※第1回はこちら(http://president.jp/articles/-/15759)
製薬業界Bさん「昇進はノーとはっきり言う女性もいる」
建設業界Cさん「2段、3段跳びで昇格させないと」
IT業界Dさん 「あの人はどこのお姫様なの」(笑)って話題になる
働き続けるための男選びとは
【建設】女性の部下を抱える男性上司の意識も変えないといけないと思っている。たとえば女性営業社員が男性上司に「妊娠しました」と報告したときに、すぐに「おめでとう」と一緒に喜んでくれる上司もいれば、「じゃおまえ、お客さんのところに行けないね、いつから行けなくなるんだ」と言う上司もいる。言われた女性は妊娠したことが迷惑なんだなと感じ、「そう思われているのであれば辞めたいです」と相談にきたことがあった。
【食品】辞めるまでにはいかなくても、パワハラだ、セクハラだという相談が人事にくるよ。事実確認を上司にすると、悪気はなく部下のためを思って叱ったと思っている。でも女性は「ひどい、私のことを何だと思っているの」と傷ついている。
【IT】余談だけどうちは社内結婚した共働きが多い。しかも同期で結婚し、同じ職場で働いている夫婦も多い。それでも「男性の家事支援を含めて意識の啓発をしてほしい」と強く言っている。両立支援の研修もペアでやってほしいとか。社外の夫が参加できる研修もやってほしいとか、男性への不満がこれでもかというぐらい出てくる。たとえば「育児時短を利用しているのは全員女性で、4時過ぎには帰るが、夫が家に帰るのは9時過ぎ。せめて自分が食べたものは洗ってほしい」とか。男性の家事や育児参画率の低さが女性にとっては非常なストレスになっているのは確かだと思う。
【製薬】男性社員の中にはいまだに長時間働き続ける人がいいパフォーマンスを上げる人だと思い込んでいる人がいる。本当はどんな働き方をしても与えられた役割を果たすことができる人なのだが、実態としては長時間、馬車馬のように働いている人ができそうだ、と思い込んでいる人が多い。それが女性をがんばりにくくさせている原因だ。
【食品】女性のリーダーも残念ながら馬車馬のように働いている女性ばかりだったな。夜中の1~2時に普通にメールのやりとりをするぐらいの働き方をしていた。しかも独身か結婚していても子どもがいない点も共通している。結婚して母親になった女性リーダーというのはいない。