クラブチームが次々と発足

発表する場ができれば、クラブチームも増えてくる。東京フェニックスは元日本代表だった四宮監督が立て直し、ラガール7は2010年に発足した。東京に本社を置く購買戦略研究所を中心とし、雇用と練習環境をサポートしている。昨年度を含め4大会連続で全勝優勝していたアルカス熊谷は昨年春、立正大学の女子部員を軸として誕生した。

追手門学院大学女子ラグビー部も一昨年、発足した。元日本代表の後藤翔太監督の指導がいいのだろう、この大会ではセブンズらしいつなぎのラグビーを披露した。五輪効果か、他競技からの転向者のほか、若手選手も出てきている。決勝でも、東京フェニックスの17歳、塩崎優衣(東京・青山高3年)、ラガール7の15歳、平野優芽(東京・東亜学園高1年)が光り輝いた。

日本ラグビー協会の本城和彦オリンピック・セブンズ部門長は「この大会をなぜ創ったかというと、代表チームを強化するために何が必要かという視点からです」と言う。

「代表強化だけだと、競争原理が働かなくて、次の選手が育たない。各チームが強化に力を入れることで、全体的なレベルアップにつながり、必ず、いい選手も出てくることになる。この大会のステータスをもっと上げていけば、マーケティングにも普及にもいい影響が出てくるでしょう」

そりゃそうだ。競い合いがあってこそ、レベルが押し上げられるのである。支援者、スポンサーが増えれば、練習環境も改善されていく。大事なのは、女子セブンズの魅力アップ、ブランディングだろう。

この日の秩父宮ラグビー場は入場無料だった。観客は1000人程度。強化がうまくいけば、普及も進み、ファンだって増えていく。有料試合でも、観客はどどっとやってくる。いつか、サッカーの「なでしこ」のような人気が出てくるかもしれない。

松瀬 学(まつせ・まなぶ)●ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)、『一流コーチのコトバ』(プレジデント社)など多数。2015年4月より、早稲田大学大学院修士課程に在学中。
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