欲望コントロールと段取り力

朝時間の有効活用を提唱している池田千恵氏は、「早起きは楽しまなければ続かない」と話す。

「たとえば朝走る人は、一生懸命やっているのではなく、楽しくてやっているんです。それは、きっと裏で自分の『欲』を満たしているから。欲の中身は、『SNSに記録をアップして自慢したい』かもしれないし、『腹を凹ませて女の子にモテたい』かもしれない。あるいは、頭の中でグラフを作って、『月間100キロ達成した!』とゲーム感覚を楽しんでいるのかもしれない。最初のうちはナマナマしい『欲』であるほど良いのです。その人なりの楽しさを朝に見つけるのが大事です」

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朝型人間vs夜型人間「幸福度」/朝活している人は、出世が早く、人間関係が円滑で友人が多い

早起きは禁欲的にも見えるが、実際には欲望を向ける方向を変えているだけのようだ。人間の三大欲求の一つ、食欲に働きかけるという意味では、朝食の食べ方も重要だ。

「肉が好きなら、朝から肉でいいと思いますよ。朝食の会などでは、ホテルオークラのボリュームたっぷりのフレンチトーストが人気です。甘いものが好きな人なら、前日にケーキやチョコレートを買って帰って『朝起きたら食べよう』と思って寝ればいいんです。最初は早起きしても頭がボーッとするだけですが、それは体が慣れていないから。10日から2週間ぐらいすると慣れてきて、運動や読書などにも『欲求』が向かうようになると思います」(池田氏)

また、夜型は睡眠時間が少ないことからわかるように、朝型に変わるには、夜早く寝ることも大事だ。どうすれば早く寝られるのだろうか。

「早く寝るには、『段取り力』が必要です」と池田氏は指摘する。「11時に寝るには、10時にお風呂に入り、会食は何時までに終わらせるとか、目標から逆算して段取りするスキルが必要です。これは仕事にも必要なスキル。朝型の人はそういう能力が高いので早く寝られるし、仕事もできるという相関関係があるのではないかと思います」(池田氏)

頑張れば夜起きていることはできるが、頑張っても寝られない、頑張るのは得意だが段取りは苦手だという人は要注意だ。