優先順位「下位」に着目でケンカ回避

お互いのお小遣いや食費、携帯代、教育費にかける額の多い少ないが、夫婦げんかの原因と思っている方も少なくなくありません。でも、実際は額の問題ではなく、「優先順位」の問題なのです。

このワークをすると、自分がどんな支出を大切に思っているのか、そして、パートナーもどんなことを大切に思っているのかがわかります。


ある夫婦の3分間付箋ワーク実践例。付箋と紙とペンがあればすぐできる。

それがわかれば、子どもの塾代をどうするかが話題になった時でも、次のように比較的冷静に状況を把握することができます。

夫:教育費の優先順位が低い→塾に通うことを焦らなくてもいいと考えている。
妻:子どもの教育は一番大事(優先順位1位)→お小遣いを減らしてでも塾代を捻出したい。

3分ワークをしていない夫婦なら、「子供の将来を真剣に考えているの?」「なぜ、自分のことばっかり考えるの?」などと感情的に詰問して大ゲンカに発展していたかもしれません。

▼夫婦差「見える化」の効果

でも、ワークで、自分とパートナーの考え方の「差」が見える化されることで、いい意味で諦めのような気持ちができます。「私とあの人はお金をかけたい優先順位が違うから異なる意見になるのは仕方ない」と。

夫婦の支出に関する考え方の「溝」は、ワークによってただちに解消されるわけではありませんが、ケンカして家計が管理できなかったり、不満を増長するような事態を避けることができます。

実際に体験されたご夫婦を見ていると、お互いの優先順位が違うことで気分を害する方はおらず、優先順位が異なるものや同じものを探して面白がったり、興味を持って相手の優先順位を見ていらっしゃいます。

では、そうやって差を見える化したことによって、多くの夫婦はどう対策を立てるかといえば、お互いの優先順位の下位に目をつけるのです。上位の項目に関しては、それぞれ考えがあって簡単には譲れませんが、下位項目なら見直しに応じやすいのです。