創業者の言葉をもう一度思い出せ

VAIOは昨年7月、ソニーがPC事業を分社化し、日本産業パートナーズに株式の大半を売却して独立した会社である。ソニー時代のVAIOは差別化、高付加価値路線を走っていたが、あるときから方針を転換して質より量を追うようになった。その結果、VAIOは低迷し、本体から切り離されてしまった。

日本通信の三田聖二社長(左)とVAIOの関取高行社長。

そのため、新生VAIOでは、ソニー時代の反省に立ち、「自由だ。変えよう」というコンセプトの元、究極の道具としてのPCを開発し始めた。そして、2月中旬に登場したのが「VAIO Z」。同社の安曇野本社工場(長野県安曇野市)で設計から生産、品質チェックまで一貫して手がけた「安曇野FINISH」の製品で、有数の国内企業と共同開発で生み出された日本代表と言えるものだった。

こだわったのは「圧倒的なレスポンス」「1日中、どこでも完璧な仕事ができる」「ユーザーの新たな可能性に応えられる」など。スペックに一切妥協せず、機動性も両立させたそうだ。

そんなVAIOパソコンに比べて、今回のVAIOスマホは余りにもお粗末。せっかく上がりつつあったVAIOのブランドイメージも下がるのは必至だ。こんなことでVAIOは本当に輝きを取り戻せるのだろうか。

ソニーの創業者である盛田昭夫氏は、「ビジネスには3つの創造力が必要だ」と説いた。まず「元となる技術」、次に「その技術を使ってどんな製品をつくるか」、そして最後に「つくった製品の便利さをアピールして新しい市場をつくり出すこと」。今のVAIOは、もう一度この言葉を肝に銘じる必要がありそうだ。