拙速「受動喫煙防止条例」の不可解

北海道美唄(びばい)市――。石狩平野のほぼ中央、札幌から急行で約30分の距離に位置しているまちだ。「美唄」の由来は、アイヌ語の「ピパオイ」(カラス貝の多い所)だという。沼地、河川の多い土地で、カラス貝が多く獲れたからだそうだ。かつて道内有数の炭鉱都市として栄えたが、1973年に最後の炭鉱に火が消え、今や人口は2万3892人(2015年2月末現在)、過疎化の一途を辿る典型的な地方自治体だ。

そんな小さなまちが、にわかに注目を集めている。その理由は「受動喫煙防止条例」だ。市では13年に10カ年計画「びばいヘルシーライフ21(第2期)」を策定。その中で「通学路における喫煙を防止するための条件整備」「敷地内・施設内禁煙を実施する公共施設の増加」を明記した。続いて市は、14年12月1日に「受動喫煙防止対策ガイドライン」をまとめた。同時に、条例化も視野に入れていることを明らかにした。神奈川県、兵庫県が条例を制定しているが、市町村では初の条例化となる。