今後、将来への不安が募っていく中で、状況を数字に置き換えて、あるべき姿と実績を把握していく。そうやって不安を解消すれば、増税前に駆け込み消費をして、振り返ればムダ遣いだった、という事態も回避できるに違いない。
もし不動産収入などで資産を増やしたいのであれば、お金を貸してくれる銀行とつきあう必要がある。といってもメガバンクは大企業や公務員のような安定した職業しか相手にしてくれない。どんな大手に勤めていても生涯雇用はあてにならない時代。今後のために取引すべきは、地域の人間や中小企業を大事にする地元の信用金庫だ。まずは口座を開設し、メーンバンクとして活用していけば、担当者は相談にのってくれるし、地域の人間も紹介してくれる。地元の町内会に入るつもりで関係性をつくっておいて、損することは何もはない。
平均寿命が延びた今、多くの人が80歳まで生きなければならなくなった。その長い道のりにおいて、50歳までは資産形成期と考えたほうがいい。それも無形資産――自分の引き出しをつくる大事な時期だ。投資よりも本業に力を入れ、仕事でも家庭でも求められていることを完璧にこなしていく。そうやって結果を出す中で築いた能力、人脈、自信は、将来豊かに暮らすうえで必ず基盤になるはずである。
「すぐにできる10のリスト」
1. 臨時出費は、1年分を準備
2. 必ず毎月天引きで貯金
3. 預金の一部をドル建てに
4. 家計の経営方針をつくる
5. 妻のスキルアップに投資
6. 家、車、保険を見直す
7. 毎月の支出を把握
8. 地元に強い信用金庫を知る
9. ローンの借り換えを検討
10. 貯蓄は夫婦で情報公開
「してはいけない10のリスト」
1. 増税前に駆け込み購入
2.メガバンクだけに頼る
3. レシートをすぐ捨てる
4. 給与と共に生活レベルUP
5. 家計簿を毎日つける
6. 教育費をかけすぎる
7. 30、40代で贅沢三昧
8. 家計を完全に妻に任せる
9. 会社からの収入だけに頼る
10. 景気回復で慌てて投資
1983年三井銀行(現・三井住友銀行)に入行し、支店長などを歴任。48歳で銀行を退職後、起業。年間7000万円の収入を得る不動産投資家でもある。著書に『お金が貯まるのは、どっち!?』。