客観的に証明できれば警察だって動かせる!

図:「被害届」と「告訴状」の違い、知っていますか?
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図:「被害届」と「告訴状」の違い、知っていますか?

「知人にお金をだまし取られた」

「何カ月も元カレにつきまとわれている」

深刻な被害にあっているのに、警察が被害届を受理してくれない……。こうした警察による被害届の不受理はざらにある。

被害届が受理されないケースの多くは、犯罪を証明する証拠がないのが理由だ。主観的に被害を受けたと感じることと、証拠に基づき客観的に被害を証明することは別。この点を理解しておかなければいけない。

詐欺事件の被害届は不受理が多い。その理由は「お金を貸したのに返してくれない」といっても、詐欺(刑法246条)か債務不履行(民法415条)かの判断が難しいからだ。はじめから踏み倒すつもりでお金を借りるのが詐欺であるが、そんな人はあまりいない。「返す気はあったが返せなくなった」ケースが大半であろう。

要は「最初から返す気がなかった」ことが証明されないと警察は被害届を受理しにくいわけである。ただ、被害者が何人もいる場合は、借り手に詐欺を働く意思があったと推認できるので受理されやすい。

また、ストーカー被害の訴えのかなりの割合は、精神的な障害を抱えている人の妄想である。つまり、多くの妄想の中にストーカー被害の事実がまざっているので、警察としてはますます「客観的な証拠を持ってきてください」という話になる。