子どもが涙を流しても頑張らせる
【窪田】補習校は国語と算数だけでしたよね。
【川端】はい。その2科目を週に1回の授業にどうやって集約してやらせるかというのが大変でしたね。だからどうしても宿題が多くなってしまって。漢字の練習や作文は時間がかかりますけど日本語教育には欠かせませんから。家で書かせた作文を1週間私が添削して次の授業で書き直しの宿題にすることが多かったですね。子どもには一番つらい宿題なんですよ。算数よりも国語の宿題が大変だったのよね。
【窪田】算数よりも国語は時間かかりますからね。
【川端】親御さんたちも大変だったと思います。だから卒業文集を読んでると子どもたちがものすごく苦労していたのが伝わってきます。平日はアメリカの学校のことをやらないといけない。アメリカの学校はレポートが多いですから、そこに日本語補習校の宿題も重なって。たとえ算数といえども用紙一面に分数の問題をたくさん出されると悲しくて涙もでますよね。「なんでこんなにやらないといけないの?」って思う子もいたみたい。そのせいで私のことを「こわばた」って呼ぶ子がいたの。ニューヨークの自宅に勉強にきていた子がぽろっと「こわばた先生」って言ったんです。「あれ? 今何て言ったの?」って。そこではじめて知ったんです。
【窪田】ほんと毎日っていうくらい教えておられましたよね。
【川端】土曜日は補習校で教えていて、平日は補習校以外の子どもたちにプライベートで教えていたんです。補習校で教えていることが親御さんのつてで伝わったらしく、補習校で教えていない子どもに限って受け入れてました。娘が生まれてからは私が教えてる間に生徒のお母様がベビーシッターをしてくださって助かりました。
そういえば、窪田君、5年生を飛び級したのよね?