多くの人は、自分は理性的だと考えている。しかし人は案外、ヒューリスティックに物事を決めている。価格もその一つで、直感で「安い」「いや、高い」と判断されやすい。そこで生じる認知バイアスを利用すれば、値上げによって顧客が感じる痛みを軽減することも可能だ。

実際によく使われているのがアンカリングだ。アンカリングとは、最初に与えられた情報が印象に残って基準点(アンカー)となり、その後の判断に影響を与える効果のことを指す。

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「第一印象」の効果を利用しよう

例えばある中華料理店に、1万円のAコースと、8000円のBコースがあったとする。この2つを比べると、Aコースは高いと感じる顧客が多いだろう。そこで、新たに1万4000円のSコースを設定して、メニューのトップに持ってくる。すると、Sコース1万4000円がアンカーとなって、Aコース1万円が安く感じるようになる。これがアンカリング効果だ。

(構成=村上 敬)
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