企業の好決算が相次ぎ、企業業績の急回復の兆しも出てきて、景気回復に期待が高まっている。辣腕&変革経営者が求める「人材の条件」を語り尽くす。
大きな変革を起こす――。
これが、外部からLIXILグループの前身である住生活グループのCEOに就任した私の、最大のミッションである。
2011年、トステム、INAX、TOEX、新日軽、サンウエーブ工業というまったく異なる企業文化を持った5つの事業会社が経営統合して誕生したLIXILは、16年までに連結売上高3兆円(うち海外売上高1兆円)の達成という大きな目標を掲げている。
この大目標を達成するためにまさに“大きな変革”が必要なわけだが、私はそれを「統合の基盤づくり」「成長の基盤づくり」「真のグローバル・カンパニー化」という3つのステップによって達成しようと考えている。
現在は、予定通り「統合の基盤づくり」が終了した段階にある。統合の基盤づくりが完成したという確証は、昨年末に実施したオール・エンプロイー・サーベイ(サンライズ・サーベイ)によって得ることができた。
LIXILは取引先やお客様から“ひとつの会社”として見てもらえているか、LIXILの理念やバリューを十分に理解しているか、そして私のメッセージが正確に伝わっているかといった、経営統合に関する重要な質問を25000人の正社員に向けて投げかけて、実に90%を超える社員から回答を得ることができたのである。
この数字は、少なくとも社員の大半がLIXILという新しい会社に対してコミットしている証しだ。個々の質問に対する答えがイエスであろうとノーであろうと、大半の社員がLIXILにコミットしているという事実が
「LIXILは確実にひとつになろうとしている」ことを私に実感させてくれたのである。
私の最終的なミッションは、LIXILを海外市場で1兆円稼ぐ本物のグローバル・カンパニーに育てあげたうえで、そのグローバル・カンパニーの舵取りができる人材にバトンタッチすることにある。つまり私は、あと4年間のうちに3つのステップをクリアする一方で、後継者の育成も急がなくてはならないわけだ。