入社早々に「日興如水会」に呼ばれた

クロイワさんは人事部を希望したが、新宿支店で営業をすることになった。"学閥"は確実に存在した、と明かす。

「入社早々、一橋出身者が集まる会合である日興如水会という企業内同窓会に呼ばれました。役員や部長などが並び、社員が数十人いました。

司会をする、入社5年目ぐらいの社員が、『今年は支店で営業をする新入社員がいます。クロイワ君です! なんと、一橋出身者では2年ぶりとなります!』と紹介するのです(苦笑)。どうやら、支店で営業をすることがそのくらいに珍しいことだったようです。この学閥が、一橋出身者を役員会などに送り込む働きをしているようにみえました」

新宿支店に配属された半年後、退職をした。「課長などからの指示を受けた銘柄を売る日々でしたが、もっとクリエイティブな仕事をしたいと思ったのです。もともと、企画などを考えることが好きでしたから」

転職したのは、社員が20人ほどの広告代理店。ここには、日興證券に同期で入った東大卒の社員がいた。この男性がいち早く辞めた後、転職し、クロイワさんを誘った。

「私にはもう、会社のブランドや学閥、学歴に頼る考えがなかったのです。自分の力で人生を切り拓いてやる、といった思いがとても強かったですね」

クロイワさんは、中小企業の経営者に電話を入れ、テレアポセールスを始めた。狙う中小企業は徹底して調べ上げ、リストアップした。

「新卒採用や社員研修のお手伝いをいたします」と切り出すと、意外なほどに面談の場を設けてくれたのだという。月に1000万円ほどの売上を転職1年目から記録した。

新卒採用や内定者の研修などをするにあたり、クロイワさんが講師になる。その採用方法や研修は、日興証證券のとき、受けたものをバージョンアップさせたものだった。

猛烈なテレアポセールスを一緒にしていたのが、日興證券同期の東大卒の社員だった。東大・一橋のコンビでテレアポを続けることに楽しさを感じる日々だったと振り返る。

「この時点で学歴のことは、意識から消えています。自分が考えた研修などを売り込み、おもしろいくらいに契約が取れましたから」