志願者数は近畿大、明治大に次ぐ第3位
今年の入試で早稲田大の志願者数は近畿大、明治大に次ぐ第3位となった。この30年で3位に落ちたのは初めてのことだ。ただ、志願者10万人台を唯一維持している大学で、人気が高いことに変わりはない。
早稲田大が志願者数トップから落ちたのは、リーマンショック後の2010年からだ。不況から受験にかける費用削減が行われ、受験校を絞る併願が一般的になってきたことにある。現役で進学、確実に合格できる志望校選びをし始めたことが理由だ。記念に早稲田大を受ける受験生が減り、合格可能性が低い大学を受けなくなってきた。予備校の入試担当者が解説する。
「不況といっても併願校数が減っているわけではありません。チャレンジ校を減らし実力相応校、すべり止め校を手厚く受ける傾向が強まっているのです。受験料が1校3万5000円と高いこともあり、模試での合格可能性の高い大学を受験することで、浪人するリスクを回避しているのです」
早稲田大に限らず私立大というと、ひとりで何校も受けて、結果的に各高校が合格実績を伸ばしているような印象がある。しかし、最近では受験校を絞る受験生が多いため、そのような動きにはなっていない。大学通信の集計では、今年の早稲田大合格者の1人当たりの平均合格学部数は約1.51で、現役に限ると1.43にとどまっている。やみくもに受けるのではなく、自分が学びたいことを中心に志望校を選んでいることが読み取れる。
その早稲田大の合格者の高校別人数を見ていこう。早稲田大の高校別合格者数は40年近くにわたって、大学通信が高校に調査を行ってきた。それが今年から一般入試についてのデータを、早稲田大が公表に踏み切った。
その記念すべき今年のランキングトップは開成で225人だった。開成は他に東京大、慶應義塾大でもトップで、首都圏人気3大学のトップとなった。2位は女子学院と豊島岡女子学園の180人。4位は日比谷の174人で、以下、学芸大付、浅野、城北と続いた。女子校2校が2位を占めた。中学受験塾の入試担当者が言う。
「中学入試で女子御三家と言われる女子学院ですが、キリスト教系の学校で自由な校風で知られ、同じように自由な校風の早稲田にあうため志願者が多いのかもしれません。また、入試科目が早稲田の文系はオーソドックスな英、国、選択科目の3教科型で、他の私立大とも併願しやすく受けやすさもあって、女子校や公立校からの合格者が多いのでしょう」
早稲田大とライバル視される慶應大の上位に女子校が入ってこないのは、入試科目に女子が得意な国語がないためと見られている。慶應大では国語の代わりに論文試験などを課している。