たくさん貯める人の共通点とは
なぜ、シンプルな貯める方程式【収入-貯蓄=支出】をうまく機能させることができないのでしょうか。
これまでの診断事例を思い浮かべると、きちんと貯められる人には、一つの共通点があります。それは、「将来、こうなりたい」という強い目標。
車を買いたい、家を買いたい、子供の教育費を貯めたい、などなど。ですから、いまから何ができるのかを考えて、人生を逆算して、目標を達成しようと強い意志をもって、「貯める方程式」を実践しています。
しかし、残念ながら、貯められない人からはこうした明確な目標がなかなか聞けません。
こうした違いはどこから起こるのだろうかと、私なりに考えました。
貯められる人はしっかりした「自分基準」を持っている、ということだと思います。
「将来、こうなりたい」「こうしたい」というのも、いわば「自分基準」の具現化を目指すものといえるでしょう。
他人がどうであれ、自分にとって何が必要で、何が不要なのか。
人生を豊かにするのに自分が本当に欲しいものは何か。他人が持っているかどうかではなく、あくまで自分を基準にメリハリのあるお金の使い方ができる人です。
貯められない人であっても、何か目標を持ったときに、ハッと気が付いて一気に貯められる人に変わる、という人も何人も見てきました。
方程式という「型」よりも、自分基準の目標を持つことの方がお金を上手に使うのにとても大事なようです。
ところが、この「自分基準」。意外とひと癖あって、ときに貯められない人にも確たる「自分基準」が存在する場合があります。
俗にいう「聖域」です。“こだわり消費”とでもいいましょうか。
教育費は削れない、新しいモバイルツールは必ず買う、シーズンごとの流行ファッションは抑える……。
一見すると同じ「自分基準」ですが、結果は真逆です。この矛盾をどう理解したらいいでしょうか。