筆者が入手した朝日新聞社員の文書3

■「社に異論を唱えない」人たちが認められ、組織の上部に上がっていく(編集・30代女性)

池上さんの書かれていることはどれも至極まっとうだと思います。どうしてこれを堂々と載せてくれなかったのか。多様な意見を交わす。そのためのオピ面、そのための池上連載ではなかったのか。言論機関でありながら自由にものが言えない風土を作って、会社はどこへ向かおうとしているのか。仮にもジャーナリズムを謳う新聞社にあって、恥ずかしくないのでしょうか。私は一社員として恥ずかしいです。これまで、そういう「社に異論を唱えない」姿勢を是とする人たちが認められ、組織の上部に上がっていくから、会社がどんどんおかしくなってきたのではないのでしょうか。自分たちに都合の悪い意見を聞かない、載せない。これでリベラルな新聞と言えるのでしょうか。そもそも慰安婦問題でなぜ謝らなかったのか。謝ってほしかった。その説明もない。謙虚さに欠ける姿勢こそが社の体質になっているのではないでしょうか。読者が離れていったとしても、当然だ、としか思えません。現場の人間と経営陣・編集上層部との意識の隔たりを埋める努力をしなくては、朝日新聞という媒体はどんどん魅力を失っていくことと思います。今までのような現場のガス抜きではない、経営陣ならびに上層部の、実効性を伴う意識改革を求めます。意識改革ができないのなら、人を入れ替える位のことを望みます。

■Webや掲示板サイトで知った、社内に情報が流れてこない(製作・40代男性)

掲載見合わせや掲載取り決めに関する説明など、会社を通じての情報は一切受けておりません。昨夜、NHKニュース(WEB)からの情報で掲載を初めて知りました。職場では、掲示板サイトなどのネットを通じて情報を得たという同僚もいます。社内で、どんな情報が流れているのかすらわからない。すべての職場に、きちんと情報を伝えてほしい。

■汚いメンションを送りつけられるが、返す情報がなく情けない(編集・ツイッター記者)

問題点はすでに多くの人が指摘しているとおりです。それ以外の部分で指摘したいのは、働く場(本社や部、総支局)によって情報量に差がありすぎるという点です。現場の記者が日々直面している事態への配慮や想像力がないと感じます。また、これほど大きな問題についての情報が、部によって(あるいは部長によって)差が生じていることへの不信もあります。私は実名でツイッター公認アカウントを持っているため、口汚いメンションを送りつけられてもいます。そうしたときに、語る言葉や材料を持てないことが、本当に悔しいです。

■ネットで加速する会社の悪評、間違いを放置するな(編集・40代男性)

どんな経緯で誰が掲載見送りを判断したのか、少なくとも社内では明らかにするべきだ。朝日新聞の評価を著しく貶めた責任を取るべきだ。朝日新聞がなぜ自由な言論を妨げるようなことをしたのか、紙面で検証するべきではないか。慰安婦問題についてもそうだったが、間違いを放置したままだと会社の評価はネットなどを通じて加速して落ちるだけだ。読者離れもどんどん進む。問題に向き合い、読者に納得できる形で説明することが必要だ。

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