実際に人が住む施工した家を見る

悔いのない一戸建ての注文住宅づくりは、施工業者選びで決まるといってさしつかえない。その第一条件は、地元の会社を選ぶこと。理由はトラブル発生時にすぐ来てもらえるからだ。できれば、車で1時間以内がいい。一昨年の東日本大震災で、屋根瓦の落ちた屋根をブルーシートで応急処置したのは、みんな地元工務店だった。できれば、その会社の社長に会ってほしい。人柄を知るのはもとより、家づくりへの思いを聞くのである。完成後も長い付き合いになるわけで、自分との相性もないがしろにすべきではない。

もうひとつ、モデルハウスではなく、そこが施工し実際に人が住んでいる家を見学すること。それを許可する業者なら、自社の物件に自信がある証拠である。行ってみて、そこが省エネ住宅なら月々の光熱費データを教えてもらうのも賢明な方法だ。

こうしたこと以外のチェックポイントをいくつかを挙げると、平日に建築現場を見て、整理整頓が行き届いている業者かどうか。法的義務はないにもかかわらず第三者検査を積極的に取り入れているかといったことも留意しておくといいだろう。

優良業者であれば、たいていクリアしているものだ。それがそのまま施工品質の高さにつながる。そのことは、住みよいだけでなく、何代も暮らし続けていく長持ちする家にも直結することになるのである。

とかく新築の注文住宅となれば、スマートハウスのような先進的な設備に目がゆきがちだが、まだ評価の定まらない導入効果や機器の寿命を考えれば避けるべきだ。故障などで思わぬ出費を強いられるからだ。

100年の家project代表 杉浦一広
材木問屋役員等を経て、「自然科学のパッシブハウス」の 家づくりを目指すネットワーク「100年の家project」を全国で展開。
(構成=岡村繁雄)
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