男性は基本的に解決志向です。「目の前に問題があるなら、解決する方法を考えなければ」と信じています。ですから、目の前の問題とは無関係な過去の話を持ち出されると、「今ここでそんな話を持ち出しても無意味。問題はそこじゃないだろ」と反応します。
理屈としては正しいかもしれません。しかし、論点整理をし、問題解決に向かおうとするそのこと自体が、女性にとっては自分への「敵対行為」と映ります。自己を否定されたと感じ、猛烈に怒るでしょう。
というのも、女性が求めるのは「今のわたし」を認めてもらうことです。どちらが論理的に正しいか、効率的か、などということは男が納得するための理屈であり、女性にとっては重要なことではありません。女性は相手に、自分の言い分を認めさせ、自分の感情を肯定してくれることを望んでいます。
もし女性の怒りを鎮めたいのであれば、男性は「自分の言い分が絶対に正しい」と思える場面でも、とにかく女性の言い分を認めてあげることです。できれば「そうだね、あのときは悪かった」と謝ってみせるのが上策です。
しかし、実際にそう言えるかというと別問題。よほど場数を踏んでいないかぎり、悪いと思っていないのに謝ることはできません。「そんなこともあったね」と、うなずきながら事実関係を認めることが大切だと思います。
心理学者 伊東 明(いとう・あきら)
早稲田大学政治経済学部卒業後、NTT勤務を経て、慶應義塾大学大学院修了。博士(社会心理学)。東京心理コンサルティング社長。『女性を味方にする言葉、敵にする言葉』(PHP文庫)など著書多数。
早稲田大学政治経済学部卒業後、NTT勤務を経て、慶應義塾大学大学院修了。博士(社会心理学)。東京心理コンサルティング社長。『女性を味方にする言葉、敵にする言葉』(PHP文庫)など著書多数。
(構成=久保田正志)