成功者の愛読者を一挙公開。この夏休みは経営トップ推薦の本を読破してみてはいかがだろう?
会社経営のかたわら作家、出版プロデューサーとしても活躍する中島孝志さんに、忙しいビジネスマンが夏休みを有効に使うための読書法を教わった。
※第1回はこちら(http://president.jp/articles/-/13142)
歴史書や古典小説を読むことも、まとまった休みならでは。せっかくなので超大作やシリーズになっている本はいかがだろう。
「『ローマ人の物語』全15巻や『カラマーゾフの兄弟』全5巻などの長編小説は、どちらもわかりやすく、面白い小説で組織論や人間論を勉強するには最適な本です。このような長編を一挙に読んでしまうのも手です」(中島氏)
普段なら躊躇しそうな巻数だが、休みにどっぷりその世界に浸るのも楽しそう。日本の歴史物もせっかくなら一気に読みたい。
「歴史物なら山本周五郎や司馬遼太郎などがお勧めです。中堅以上のビジネスマンは、特に仕事のノウハウよりも人徳力を養うために人生観や、仕事観を形成する美学を身につけるべきでしょう。『こうすべきだ』という指南書よりも、何が大切なのか自分で気づかせてくれる本は、読者の人生観を豊かにしてくれます」(中島氏)
普段、仕事に直結する本ばかり手に取りがちだが、このような本のほうが大事なのかもしれない。最後に、読書を無駄にしないための大切なポイントを教わった。
「読書をしたらアウトプットすることです。私は本を通じて仕事や人生のヒントを得たら、自分なりに練り上げて、仕事の改善や、成果につながるような生産的な読書にするべきだと思っています。そのためには読書後、『面白かった』で終わらせず、アウトプットすることが大切です」(中島氏)
読書をする習慣がある人でも、アウトプットまで習慣化させている人は少ないはず。感想文を書けばいいのだろうか?
「まず、読書ノートをつけるなどしてアウトプットを習慣化してください。読んでいて心に響く言葉や文章、私はこれをキラーフレーズと読んでいますが、はじめはそこに付箋をつけて読み進め、読書ノートにまとめるときに再度じっくり読んで自分なりの分析と解釈を書くのです」(中島氏)
仲間と読むのも有効だという。読書会に参加するなどで、読んだ本について人に説明すると有効なアウトプットになり、自分なりの理解も深まる。