コミュニティで一緒に試行錯誤
「ゆるい就職」」における派遣先の企業としては、主婦の短時間就労やインターンを受け入れた経験のあるIT企業などが揃っています。仕事内容が気に入れば、相談の上で、週3日勤務のままで正社員になってもいいし、派遣のまま週5日勤務に増やして月収25万くらいにしたりと、いろんな選択肢が考えられます。
そもそも「正社員」というのは、法的根拠のない概念です。正規雇用でも解雇はされるし、契約社員だからボーナスをもらえないというわけでもない。所詮は個人と組織の約束事であり、ただの枠組みの一つにすぎない。そんなマジックワードに、いつまでも縛られているのはあまりに危険で滑稽です。そもそも、仕事のために人生があるわけじゃなかったはずです。
そして、この「柔軟な職の入り口」に加えて、派遣元になるビースタイル社内に利用者同士のコミュニティをつくり、毎月1回程度、みんなが一堂に集まって意見交換できる場を設けたいと思っています。自分なりのライフスタイルを模索する若者同士が集まり、実際に働いてみた感想や休日の過ごし方、普段考えていることなど共有することで、仲間と一緒に試行錯誤し、応援し合える環境をつくりたいと考えています。
僕はこのような「場」をつくっていくということのほうが、画一的な社員研修をすることなんかよりよっぽど重要だと思っています。一人ひとりのキャリア開発のためにも、組織が個人ともに変化し、成長し続けるためにも。
「週休4日で月収15万」が正解かどうかはわかりません。ただ、これをきっかけに、「僕たちは自分のライフキャリアをもっと自由に設計できるんだ」という尊厳と可能性が生まれればいいなと思っています。そうすれば、働くということがもっと意義深く、面白くなっていくはずです。むしろ、そうじゃないと僕たちは生き残れない。もちろん、企業側にも大きな変化が求められるでしょうが……。