食欲をガマンできないと消費もガマンできない
ところで、時間割引率という考え方があります。たとえば「今1万円手に入るのと、1年後に1万円手に入るのではどちらが良いか」と尋ねると、多くの人は今の1万円のほうを選びます。次に、「これがいくらなら今の1万円を我慢できるか」と聞かれたら、女性より男性のほうが金額が高いのです。個人差はありますが、性差として女性のほうが将来のために今は我慢できる。つまり一般に、男性は時間割引率が高い。今を格好よく見せるために、将来は犠牲にしてもいいという価値感です。
統計によると、借金持ちはかなりの確率で太っている人が多い。「今すぐ買いたい」と「今すぐ食べたい」は、時間割引率が高いという点で同じなのです。さらに時間割引率が最も高いのは喫煙。低収入な人ほど、喫煙率が高く宝くじを購入する人が多い。宝くじというのは、換金率が45%しかない債券のようなものです。つまり、「タバコを吸いながら宝くじを買ったりギャンブルして、野菜も食べないで、ファストフードを食べているような太った男」は最悪だということです。それに言うまでもなく、女性から見ると太っている男性は魅力もない。ぜひ正しい健康の知識を身につけて、魅力的なお金持ちになってください。
経済評論家 勝間和代
1968年、東京都生まれ。19歳(当時最年少)で会計士補の資格を取得。慶応大学商学部卒業。早稲田大学ファイナンスMBA。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。著書に『やせる!』(光文社新書)、『健康になるロジカルクッキング』(1コインキンドル文庫・Kindle版)などがある。
1968年、東京都生まれ。19歳(当時最年少)で会計士補の資格を取得。慶応大学商学部卒業。早稲田大学ファイナンスMBA。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。著書に『やせる!』(光文社新書)、『健康になるロジカルクッキング』(1コインキンドル文庫・Kindle版)などがある。
(永濱敬子=構成 和田佳久=撮影 PIXTA=写真)