「さらに会社は成長し、誇りを持てる企業にする」

さらに、「報酬は世界規模で優秀な人材を集めるための武器であり、日本の社会は非常に控えめだと分かっているが、それは会社のデメリットになる。日本に本拠地を置くことが壁になってはいけない。日産のCEOはグローバル企業のCEOとしてみてほしい」などと、派手なパフォーマンスでいつもどおりの持論を展開した。

また、ゴーン社長は「私が日産にやって来た1999年、皆さんは会社の将来を心配していたが、私を信頼していただき、そして大きな成果を出した。引き続き信頼していただきたい。国際市場から最高の人材を採用することで、さらに会社は成長し、誇りを持てる企業にする」と自信たっぷりに語ると、会場の株主たちから大きな拍手が沸き起こった。

今年の日産の株主総会は昨年よりも238人多い1617人が出席。最近では2時間を超えていたのが、1時間49分で終了。しかも、いつものようなヤジや厳しい質問もなかった。仮にゴーン社長の報酬が“奥ゆかしさ”もなく10億円を突破していたならば、このような平穏無事では終わらなかったのではないだろうか。「賞味期限切れ」の批判をかわす意味でも今年の総会を乗り切ることが絶対条件でもあった。

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