つじもと・まこと●1974年、東京大学工学部建築学科卒業。2003年まで名古屋大学工学部教授。その間97~98年に旧建設省建築研究所で建築基準法防火規定の性能規定化に携わる。04年より東京理科大学教授。専門は火災安全工学。
辻本 誠●つじもと・まこと 1974年、東京大学工学部建築学科卒業。2003年まで名古屋大学工学部教授。その間97~98年に旧建設省建築研究所で建築基準法防火規定の性能規定化に携わる。04年より東京理科大学教授。専門は火災安全工学。

「たかが火事」と見くびってはいけない。実は、あの9.11アメリカ同時多発テロで世界貿易センタービルが崩落したのも、旅客機が激突した際の衝撃ではなく、衝突後に発生した火災が原因だったというのだ。

「火災の高熱によって、超高層ビルの構造を支えている鉄骨の強度が劣化する“座屈”が発生し、その結果ビルの倒壊へと至ったのです」。火災のメカニズムに関する最新のデータに基づきそう分析するのは、日本における火災安全工学の第一人者・辻本誠教授。本書では、そんな辻本教授が、意外と知られていない火災の実像を解説していく。

(薈田 純一=撮影)