「小学生くらいの子供たちが最後まで読み通せる小説にしたい。この本を書く上で、とりわけ意識したのがそのことでした」

さわき・こうたろう●1947年、東京都生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を受賞。
沢木耕太郎●さわき・こうたろう 1947年、東京都生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を受賞。

自身初の短篇小説集である本書について沢木耕太郎さんは言う。収録されているのは雑誌「yom yom」に掲載された9篇の物語。どこか同じ雰囲気を持つ街で暮らす9人の主人公は、それぞれ言葉にならない痛みを胸に抱えている。そんな彼らの人生にふと訪れた一瞬の出会いが、静かな筆致で描かれる。

(二石友希=撮影)