しかし「ランナーズ・ハイ」の状態になるまで走るのは、走り慣れていない人には難しいことです。自転車こぎ30分もなかなか体力的には厳しいことでしょう。
でも、ご安心ください。実はもっと緩やかな運動でも同じような良い変化や効果が脳に起こることがわかってきたのです。
たとえば速足歩きでしたら1分間に100メートルで、30分以上継続して歩けばいいとされます(ただし、普段からよく運動している人の場合はもう少し速く歩く必要があります)。これだったら、わりと手軽にできるのではないでしょうか?
毎日、30分の速足歩きをやりましょう。少し長めの速歩き散歩をすればよいのです。
できれば空気がきれいで緑豊かな散歩道などを歩くのがお勧めです。景色がきれいな所を歩くと気分が爽やかになりますね。歩くのも楽しくなります。
さらに、視覚や嗅覚など五感に快い刺激を与えることによって脳内の快感物質、若返り物質はさらに分泌されるのです。
速歩は誰にでも簡単にできる運動ですが、中高年の身体にとっては、とても重要な影響があります。実はこんなデータがあります。
1週間に500キロカロリー以下の運動しかしていない人の死亡者数は1万人あたり200人なのに対して、2000キロカロリー(1日300キロカロリーを消費=速足で30分程度)以上運動する人の死亡者数は1万人あたり100人と約半分だったのです。
1日30分の速歩きによって脳の中に若返りの物質を増やせるか増やせないかが、死亡率に大きな差を生んでいることが明らかになっているのです。
中高年になったら快感物質、若返り物質を分泌する速足歩きをぜひ習慣づけましょう。なお、快感物質や若返りの脳波が増える歩き方のポイントは次の通りです。これを参考に、若返りに大いに励んでください。
※本連載は『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』(宮崎義憲 著)からの抜粋です。