――先行きが不透明な時代において、幸せに働くコツがあれば教えてください。

【村上】人生の中でもっとも時間を費やすのは仕事です。だから仕事が楽しくなければ人生も楽しくないというのが僕の持論。繰り返しになりますが、そのためにはやはり自分のやりたいことを軸にして仕事を選んだほうがいい。

【岩瀬】幸せを外に探しにいくと、永遠に見つからないと思います。ボストンに留学してお湯がたまらないバスタブで震えていたとき、はじめて日本のお風呂のありがたみに気づきました。日本では600円でおいしい定食が食べられるのに、向こうは味気ないハンバーガーが10ドル。今まで意識していなかったけど、幸せは日本の日常の中にあったのです。人生の幸せも同じで、出世したら幸せになれるとか、年収がいくらになったら幸せという考え方では、おそらくキリがない。幸せは、自分の内に見出すもの。そういう姿勢でいれば、時代がどう変わろうと幸せでいられるのではないでしょうか。

リブセンス社長 村上太一
1986年、東京都出身。早稲田大学高等学院卒業。2009年早稲田大学政治経済学部卒。大学在学中の06年にリブセンスを設立。11年12月に東証マザーズに上場、12年10月には東証1部に上場し、ともに自社株式公開者の史上最年少を更新した。
ライフネット生命保険社長兼COO 岩瀬大輔
1976年、埼玉県出身。開成高校卒業。98年東京大学法学部卒業。在学中に司法試験合格。ボストン コンサルティンググループなどを経て、ハーバードビジネススクールに留学し、最優秀のベイカー・スカラーで卒業。2006年からネットライフ企画に参画し、13年6月より現職。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩、飯田安国=撮影)
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