会議には次の4種類があると考えられる。(1)セレモニーとしての会議、(2)情報共有型の会議、(3)情報収集・意見交換型の会議、(4)アイデアを出すためのブレーンストーミングである。
「セレモニーとしての会議」の特徴は、単純なメッセージを、決められた時間でメンバーに伝えるということだ。典型的なのは、営業所の所長が部下を集めて行う朝礼である。
目的は「今日も1日がんばろう!」というメッセージを伝えることであり、内容は主宰者1人の独演会でかまわない。参加者から意見を求める必要もない。あくまでもセレモニーなので、時間内に切り上げることを優先するのだ。
セレモニーのついでに、別の要素を盛り込もうとしてはならない。たとえば、朝礼の話題を長引かせているうちに、そのまま営業会議になだれ込んでしまうというケースである。予定の時間に終わらないと、参加している部下たちはその後のスケジュールを変更しなければならない。「立ったまま」の朝礼が多いのは、これを戒めるためだろう。
バンダイでは半年に一度、事業部長が集まり「方針発表会」を開くが、発表側の立場によればこれもセレモニーだ。
「自分の事業部は何をやりたいのか」
これを宣言するのが方針発表会だ。一番やりたいこと、ポイントは何かを語ればよい。そのため、持ち時間は1人10分とし、時間がきたら「チン!」とベルを鳴らすルールがバンダイにはある。
ところが、持ち時間を超過しているにもかかわらず、事業計画を事細かに説明しようとする人がたまにいる。話のポイントが整理できていないせいである。
すべてを伝えたいという気持ちはよくわかる。だが、限られた時間のなかで、すべてを網羅的に話そうとしても無理である。あくまでも「網羅できない」ことを前提に、優先順位をつけて何がポイントなのかを選び出さなければならない。