会議は神聖な場である。私はそう考えている。だから会議室に入るときには、中に人がいてもいなくても軽く一礼をする。これは、社内の重要会議の事務局を務める経営企画部長時代からの習慣になっている。

会議室の向こう側には、数多くのステークホルダーが存在する。お客様には、資生堂の商品を末永く愛していただかなければならない。株主や取引先には、利益をもたらさなければならない。そして社員には、生き生きと仕事をすることを通して幸福になってもらわなければならない。そのための重要なデシジョンが会議室の中で下されるのだ。そう思うと、自ずと身が引き締まってくるのである。