ロシアは「美女のハニトラ」が好み
Q ハニートラップは本当に存在する?
A 実在する。特に商談や展示会での出会いには要注意だ!
ハニートラップというのは、よほど興味をひく主題であるようで、「○○代議士にハニートラップ疑惑!」などの記事は、週刊誌などの好みのネタだ。かく言うわたしも講演などでしばしば、「ハニートラップは本当にあるのか?」とか、「政治家の誰それさんの疑惑は本当なのか?」、などと聞かれる。トラップは本当にあるのか、と言われたら、結論から言えば「ある」。
スパイ映画などで見るような、突然、驚くような美女が現れて……というパターンは、「ロシア好み」。「美しすぎるスパイ」として有名になったアンナ・チャップマンが代表例だろう。彼女の場合、金融機関に勤め、そこからパーティなどで活動の場を広げていった。他のスパイと同じように、専門家として養成されたとみられている。
ただ、日本でその種の活動はあまり聞かない。いきなり金髪の美女が現れたら、普通の日本人なら引いてしまうからだろう。
イスラエルの情報機関モサドも、しばしばハニートラップを用いることで知られる。有名なのは、1986年にイスラエルの核兵器開発を暴露した核技術者モルデハイ・バヌヌの事件。バヌヌは、モサドの女性スパイにおびき出されてローマへ行き、そこで睡眠薬を盛られて眠らされたうえ、拘束された。
中国スパイは“好みのタイプを聞いて日本人に接近”
日本の場合よくみられるのは、中国のスパイである。バーやマッサージ店などで好みのタイプを聞き出され、しばらくしたら、まさにそのタイプの女性と出会う、といったことが起きている。わたしは、ある省庁関係者から相談を受けたことがあるが、企業に対するアプローチでも同じような手段が使われている可能性はある。
企業相手でよくあるのは、商談会に現れる交渉相手や通訳を使った接触だ。企業ブースなどが並ぶ商談会や展示会などで意気投合すると、「打ち上げ」や「交歓会」などと称して会食がセッティングされる。そこで出会った女性と性的関係を持ってしまったり、「いい関係」になってしまったり、という話はしばしば聞く。トラップにはめられたというより、協力者のネットワークに取り込まれてしまうようなものである。
引っかかった人に配偶者がいるなら、証拠写真を撮られて脅される場合もある。だが、脅しなどを伴わず、ズルズルと仲良くなって影響力工作の手先になってしまったり、情報盗み出しの「窓口」になったりすることもある。巧妙な場合には、本人は単に「交際」とばかり思っていて、スパイ工作に利用されていることにそもそも気づいていないこともある。

