二日酔いでBBQは最悪
ワースト1位 お酒を飲んだ翌朝、そのまま屋外へ
最も危険なのが「お酒を飲んだ翌朝のバーベキュー」です。
アルコールには利尿作用があり、飲んだ量以上に水分が身体から出ていきます。さらに、アルコールが分解される過程で生じるアセトアルデヒドは血管を広げ、熱が逃げやすくなる一方で、血圧を乱高下させます。
やっかいなのは、アルコールが体温調節の感覚そのものを鈍らせることです。「暑い」と気づきにくいまま、炎天下にさらされ続けることになります。
「前夜の深酒から翌朝の屋外活動へ」という流れは、脱水と体温調節機能の低下を、そっくり翌日に持ち越す行動です。前の晩に失われた水分は、寝ている間には十分に取り戻せません。
渇きに気づかないまま朝を迎え、そのまま屋外に出ていくことにこそ、落とし穴があります。バーベキューに限らず、二日酔い気味での屋外スポーツ、草むしり、行楽も同じ危険をはらんでいます。飲んだ翌日こそ、屋外の予定は控えめにし、朝のうちから水分を先取りしておくことが大切です。
見落とされがちな「運動そのもの」の負荷
バーベキューやスポーツが危ういのは、脱水だけが理由ではありません。屋外で身体を動かすこと自体が、体温を一気に押し上げるからです。
気温がそれほど熱く感じない20℃を超える環境で1時間も運動をすれば、身体の深部体温は2℃上がることがあります。体温が39℃を超えると、既に全身のさまざまな細胞や組織が熱で障害を受け始めます。実は熱中症で救急搬送された人の深部体温は、40℃を超えていることが少なくありません。
この熱が、血管の内側を覆う血管内皮細胞を内側から焼くように傷つけ、そこから熱中症の連鎖反応が始まります。本連載で繰り返しお伝えしてきた「熱中症は血管の病気だ」という言葉の意味が、ここにあります。
前夜の深酒で脱水と体温調節の乱れを抱えたまま、翌朝この負荷を加える。「お酒を飲んだ翌朝のバーベキュー」が最悪だというのは、2つの危険が重なるからなのです。
がぶ飲みNGの意外な飲み物
ワースト2位 寝不足のまま炎天下に出る
2つめは、睡眠不足を押して外に出ることです。
眠れていないと、身体を活動方向に動かす交感神経が優位になり続けます。すると、皮膚の表面近くの血管が収縮して熱が逃げにくくなり、同時に心拍数が上がって代謝が高まり、内側から余分な熱が生み出されます。
「放熱は抑えられ、内側の発熱は増える」という、熱がこもりやすい状態で外の暑さに臨むことになるのです。寝不足の翌日に、よく眠れた日より早くダウンしやすいのは、このためです。
疲労も同じ方向に働きます。疲れが蓄積すると体内で弱い炎症がくすぶり、脳が基準とする体温がわずかに上がってしまうことがあります。
スタートラインの体温が0.2〜0.3℃高いだけでも、同じ気温で熱中症に至るまでの余裕は狭まります。「なんとなくだるい日が続く」のは、その黄信号かもしれません。
ワースト3位 「ビールで水分補給」
3つめは、水分の取り方の誤りです。
「暑いからビールで水分補給」は、最も避けたい考え方です。アルコールは前述のとおり脱水を進めるため、飲むほどに水分は失われていきます。同じ理由で、塩分を含まないお茶や水を大量にがぶ飲みするのも考えものです。血液が一時的に薄まり、かえって脱水を悪化させてしまうことがあります。


