作付面積を増やす農家が続出

こうした仕組みによって、作付面積を大きく増やし、売上を伸ばす農業法人も次々と生まれている。茨城県石岡市で長ネギや米を栽培するBRAVE(代表:山崎康浩さん)は、「zero」に参画したことで成長を遂げた代表例である。

実家の農業を継いで就農1年目(2022年)は売上約4000万円の家族経営だった。「zero」の技術指導と安定した契約買い取り背景を活用して規模を拡大。1年目には10ヘクタール・売上1.5億円を達成。そして、4年目を迎える2026年には約40ヘクタール・売上5億円を見込むまでに成長を果たした。

農業法人BRAVEの皆さん。事業拡大に伴い雇用するメンバーも増えた
写真提供=BRAVE
農業法人BRAVEの皆さん。事業拡大に伴い雇用するメンバーも増えた

現場起点での規格革新

「zero」の改革は、生産手法や契約形態にとどまらない。

1.輸送効率を高める「45cm規格」

長年、日本の長ネギ流通では「下から60cm」という出荷規格が主流となってきた。しかし、青葉の上部は輸送中や店頭で傷みやすく、夏場には腐敗ロス・廃棄を発生させて農家やスーパーを苦しめていた。

そこで清水さんは、傷みがちな青葉の上部をあらかじめカットして出荷する「45cm規格」を提案・導入。このわずか15cmのカットにより、以下のような成果が生まれている。

・傷みによる廃棄ロスの削減
・資材費のコストダウン
・トラック1台あたりの積載ケース数が約1800ケースから約2300ケース近くまで向上し、高騰する運賃を圧縮
2.ターゲット層を開拓する「18cmショートネギ」

54cmのネギを3分割した約18cmの「ショートネギ」を開発。従来の長ネギが入らなかった冷蔵小ケースに陳列できるようにした。これにより、一人暮らしや単身世帯の新規需要を掘り起こし、スーパーの売上を増加させる提案営業に成功している。