なぜインネパ店はどこも似ているのか
各地にあるインネパ店を見ていて感じるのが、メニューや設え、全体の雰囲気が、どこもやけに似ていることです。
まずは店名。よく目にするのが、ネパール語の挨拶「ナマステ」を冠したナマステ○○という名前や、「エベレスト」「ポカラ」「カトマンズ」「ヒマラヤ(ヒマール)」「ルンビニ」といったネパールの山や地名を取り入れたものです。
インネパ店のうちの相当数が、こうしたパターンのどれかに当てはまります。
店構えも同様です。赤・黄・オレンジといった鮮やかな色を背景に店名と料理写真を配した看板が掲げられ、ドアや窓にはメニュー写真がところせましと貼り出されている。
店内に入れば、壁にはヒマラヤ山脈のポスター、天井には青空柄の壁紙。メニューはナンとカレーのセットを前面に押し出し、メニューブックやチラシの構成・雰囲気まで判で押したように似ている――。
失敗は許されないという切実な思い
まるでインネパ店という巨大なフランチャイズチェーンが存在し、全店共通のフォーマットが決められているかのようです。
もちろん実際には、同一オーナーが経営する系列店でない限り、各店は基本的に独立運営されています。それでもなぜ、似通った姿になるのでしょう。
その大きな理由の一つに挙げられるのが、インネパ店を手がけるネパール人にとって、店は自己実現の場というより、出稼ぎという“ビジネス”の場である点です。
だからこそ、出身元の店や成功している店のやり方を忠実に踏襲するのです。この商売をやっていくためには、これがルールなのだと考える経営者も少なくないでしょう。そうした裏には、家族や親戚からお金を集めてまで日本にやってきた以上、失敗は許されないという切実な思いもあるはずです。

