疲れた脳に「ジムに行くか行かないか」の決断をさせない

以上のデータを踏まえ、脳の仕組みに逆らわずに筋トレを続けるための具体的なアクションプランを紹介します。

庵野拓将『科学的に正しい筋トレ大全』(KADOKAWA)
庵野拓将『科学的に正しい筋トレ大全』(KADOKAWA)
1.「開始」のハードルを環境設定で下げる

最大の敵は「ジムに行くまで」です。仕事後の疲れたうたた寝状態の脳に「行くか、行かないか」の決断をさせてはいけません。

「朝のうちにウェアを玄関に出しておく」「仕事カバンにウェアを入れておく」など、意志力を使わずに流れで動けるよう、物理的な環境をあらかじめ作っておくのが正解です。

2.20分以上のデスクワーク後は「脳の疲れ」を自覚する

20分以上の頭脳労働は、確実に意志力を消耗させます。脳が疲れた状態で、自己ベストを狙うようなハードな筋トレはおすすめできません。

もし行うなら、運動前に数分間のマインドフルネス(瞑想)を取り入れてみてください。短い瞑想が、脳の消耗によるパフォーマンス低下をリセットしてくれることが研究で示されています。

3.「ご褒美」と「フィットネス」を味方につける

脳の「省エネモード」を解除するには、ご褒美が有効です。実験でも、報酬があるときは脳のブレーキが外れることがわかっています。

「ジムに行けば好きな動画を見ていい」などの楽しみを用意しましょう。そして何よりの朗報は、日頃の筋トレで体力をつけること自体が、意志力を強くし、脳の疲れに強くなる一番の方法だということです。

気合ではなく戦略で脳を動かす

意志力が続かないのは、あなたの精神が弱いからではありません。脳が部分的に寝てしまい、エネルギーを節約しようとする正常な反応です。

45分も頭を使えば、前頭葉はうたた寝を始めます。そのことを前提に、「気合」ではなく、「環境を変える」「ご褒美を用意する」といった「戦略」で脳を動かしてください。

「意志力をマネジメントすること」

それこそが、筋トレを続けるための最強の技術なのです。

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