これまでの社会では、波風を立てなければそれだけで定年まで勤めることができた。大きなミスをやらかさなければ、大きな業績をあげなくてもよかったのだ。
今でも、出世レースというのは、上司に気に入られる人、すなわち余計なことはせず上の意図をくんで大胆なことはしない人のほうが、評価は高いのかもしれない。
しかし、それで、人と仲良くする力で出世競争を勝ち上がった人が社長になると、無難な決断しかできなくなる。
これが、今大企業が低迷している、一つの要因であると思う。
社員であっても、これからは波風立てず、言われたことをこなすだけでは、ある日突然リストラされることもあるかもしれない。
新しい価値を生み出せない人は、現状維持も危うい時代が来るだろう。
※本連載は『おれが浮いてるわけがない。』(五十棲剛史 著)からの抜粋です。