生き残れない経営者の言葉
また、「生き残りをかけて」と社員に語りかける経営者も同様だ。一見前向きに聞こえるが、生き残りを目標にする時点で、その会社は生き残れない可能性が高い。生き残りをかけるのは社内の問題であって、お客さんにとっては、まったく関係がないからだ。製品作りも同様の思考で行われている可能性が高い。つまり競合品と比較した機能追加、低リスク低予算を主眼に置いた商品作り。どこにもお客さんが欲しいものを作るという発想がない。そういう会社は遅かれ早かれ危機に瀕する。
「ドラッカーも言ってる」
「ここだけの話ですが」といって秘密をバラす人は、相手から信用を得たくてしているのかもしれないが、本人の意図に反して信用を失う結果につながるので注意したい。信用を得る人は、あらゆる秘密を守る人である。
「俺、寝てないんだよ」が口ぐせの人も、時間の使い方に問題がある場合が多く、大事な仕事を任せるには頼りない。仕事が多くて大変なのではなくて、仕事ができなくて大変なのである。
「ドラッカーも言っている」などと、著名人の名言を引用して意見をいうと、そんな有名な人が言っているなら、と意見が通りやすいこともあるが、あまり多用すると、この人は自分の意見に自信がないテキトーな人と思われてしまうことにもなりかねない。
名言はあくまでも最後の一押し。必ず自分の経験と、考えた末に出た結論とセットで使うことだ。そもそも、しっかりとした論理と正しい結論があれば名言などなくても人に受け入れられるものである。
もう一つ、気をつけたいのが協調を乱す言葉。何をいっても「でもさ……」と否定から話す人は、皆から面白くないと思われている可能性が高い。
「あー、私もね」という口ぐせは、女性に多い。相手の話に同調する言葉なのだが、仕事の場面では問題が解決されない連想ゲーム型の会話に陥る危険性もあるので注意したい。
また、「私」で始まる会話をよくする人は、自分の話しかしないタイプが多い。
「何でこれやるんですか?」と上司に聞くのは、指示された仕事の重要度を知り、理解を高めるために必要でもあるが、「やりたくない」という意味を強調してしまうと、上司との関係がこじれるので要注意だ。
結構よく聞く残念な口ぐせ、安易に使っていないか、振り返ってみよう。