「のに思考」では何も解決せず

「……したのに」が口ぐせの「のに思考」の人は非常に多く、何でも人のせいにしたがる傾向がある。相手が自分の期待通りの行動をしてくれなかったからといって、「……したのに」といっても、物事は改善しない。「どうしたらうまくいくのか」を広い視野と想像力をもって考える力を欠いている。

「できません」という代わりに、「人が足りません」という人も同様だ。大抵の場合、足りないのは人ではなく能力だ。人が足りないという前に、仕事の効率化を見直してみることが大事だ。

「いつかは起業したい」という人は決断・実行力に欠ける。本当に起業したい人は、具体的に「○○をやりたい」を口ぐせにするといい。

また、なかなか起業できない人に、どうして起業したいのかと聞くと、「一国一城の主になりたい」「誰にも指図されず自由に働きたい」「今の会社の人間関係が不満だから」といった理由を挙げる。どういう会社をつくりたいかは後回しなのだ。こういう人に手を差し伸べる人はいないと心得たい。

「まだ本気出してないだけ」「やればできる」という人も、やってもできない場合が多い。今まで、特に何かを成し遂げたこともないのに「やればできる」という人は努力したことがないので自分の限界を知らない。限界を知るのが怖いから「まだ本気を出してないだけ」という。つまりこれは、永遠にできない人の口ぐせなのだ。

マネジャー失格

マネジメント力の低い上司がよく使う言葉が「あいつ、使えない」である。部下の育成は上司の仕事と頭で理解していても、残念ながら、どんなに手を施してもなかなかできるようにならない部下はいるものである。「あいつ、使えない」と口に出したくなる気持ちもわからなくはないが、思ってもこの言葉を口にすべきではない。そもそも人はモノではない。手を尽くしてもどうにもならない場合に人事に掛け合うにしても、「彼(彼女)の適性を活かせる仕事がここにはない」とあくまでも「彼(彼女)のためにならない」というスタンスを貫こう。

新しい企画を提案しても「上は何て言うかな」という上司は、部下からの信頼を得られない。これも、マネジメント力の欠如が露呈した口ぐせだ。