音読がもっとも脳を活性化させる

また、脳機能イメージング研究のパイオニアで“脳トレ”でお馴染みの川島隆太先生は、「音読がもっとも脳を活性化させる」と言っています。1日10~15分の音読で、記憶力がアップしたという研究結果も紹介されています。

私が推奨しているのは、覚えたいことを音読する「音読記憶法」です。目で読む、声に出す、耳で聞くことで、大脳の神経細胞が活性化されます。さらに、声帯筋などをくり返し動かすことで、体が覚える無意識の「手続き記憶」となり、忘れにくくなります。

80歳になっても健康体で、老けない・ボケないように、毎日音読に励みましょう。

「声に出して読み上げてみると、そのリズムやテンポのよさが身体に染み込んでくる。そして身体に活力を与える」(齋藤孝/教育学者)――染み込んだ言葉は、心の力につながっていきます。音読で心身に栄養補給を!

認知症対策には脳トレよりカラオケ

和田秀樹『80歳から始めてよかった100のこと』(永岡書店)
和田秀樹『80歳から始めてよかった100のこと』(永岡書店)

認知症の進行を遅らせる秘訣は、体と頭を使い続けることです。これまで認知症の患者さんを数多く診てきたなかで、認知機能の低下を防ぐには「声を出す」のが重要であることがわかりました。

音読や詩吟、カラオケなどの趣味を楽しんでいる人は、進行が目立たない傾向があるのです。

そこで、認知症対策には脳トレよりも断然、カラオケをおすすめしたいと思います。

認知症予防研究の第一人者である薬学者の杉本八郎先生は、「脳の血流をよくすることが認知症の予防につながる」と言っています。血流改善の手助けとなるのが、体も頭も使う“全身運動”であるカラオケです。

カラオケを楽しむシニア女性
写真=iStock.com/kumikomini
※写真はイメージです

歌う時のポイントは、大きな声でというよりも「腹式呼吸」で歌うこと。思い切り息を吸って吐いて歌うと全身に酸素がめぐり、副交感神経が優位になって血流がよくなります。また、表情筋をよく動かすと、脳によい影響を与えます。

ストレス発散を目的とした一人カラオケもよいものですが、友人と一緒にカラオケを楽しむといいでしょう。人との交流やおしゃべりは、認知症の進行をゆるやかにすることが期待されます。

新しい曲への挑戦が前頭葉を活性化

ただ、いつも同じ選曲では、脳は活性化されません。ぜひ新しい曲に挑戦してみてください。流行りの新曲を聴いて覚えてみる。懐かしの曲であれば、歌ったことのないものを歌ってみる。脳の前頭葉は新しいものを見たり、聴いたりすると活性化されます。

新しい刺激は、若々しさを保つ源でもあるのです。誰もが気軽に楽しめるカラオケで、脳細胞を元気に保ち続けましょう。

「他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ」(岡本太郎/芸術家)――太郎さんいわく、「平気で下手に、明るく歌ってやればきっとうらやましがられる」のだから、得意になって気持ちよく歌えばいいのです。
【関連記事】
「家の近所を歩く」よりずっと効果的…精神科医「ウォーキング効果を最大限に引き出す」とっておきの場所【2026年4月BEST】
「ボディーバッグ」より評判が悪い…休日のイオンで見かける一発で「だらしないお父さん」になるNGアイテム【2026年6月BEST】
台所を見れば認知症の予兆がわかる…介護のプロが断言「物忘れ」よりも早く気づける"食卓の異変"
「老衰で天国へ」にあこがれる人は知っておいたほうがいい…6000体解剖した法医学者が解説する"本当の死因"
世界の研究でわかった「中高年のマスターベーション」の重要性…医師が勧める「1週間あたりの射精の回数」【2025年6月BEST】